PERIODONTAL
迫りくる歯周病…
あなたは大丈夫ですか?
歯周病は歯についた歯石や歯垢(プラーク)が原因で歯肉や歯の周りの骨などの組織(歯周組織)に炎症を起こす疾患です。30代以上の成人の約8割がかかっていると言われ、長期にわたって歯を失う原因の第1位となっています。歯周病の恐ろしいところは、治りやすい初期段階では痛みなどの自覚症状がなく、知らず知らずのうちに進行し、気付いた時には既に手遅れになっていることが多い、というところです。
抜歯の原因 CAUSE
- 1位 歯周病 37.1%
- 2位 虫歯 29.2%
- 3位 破折 17.8%
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歯茎から血が出る、歯がぐらぐらする、こんな人は要注意です!
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歯周病は生活習慣病を悪化させる可能性があるため、注意が必要です。
歯周病の進行 FLOW
歯周病が進行すると、どんどん歯が抜けてしまう可能性が高くなります。歯が抜けてしまうのを防ぐためにも、歯周病について知り、メンテナンスや歯周病治療で進行を防ぎ、しっかり治療することが必要です。
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歯肉炎
歯茎に炎症があるものの、そのほかの歯周組織には影響がない状況です。しみたり痛みがある、歯茎から血が出るという症状が見られることがあります。この段階で歯科医院を受診すれば、ほとんど元の状態に治すことができます。
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軽度歯周病
歯茎の炎症が歯槽骨(歯を支える骨)や歯根膜(骨と歯の間のクッション)、セメント質(歯の根を覆う層)まで及び、歯周ポケットが形成され歯槽骨が溶け始めた状態です。早めに治療を行うことで、進行を食い止めることができます。
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中等度歯周病
歯周病が進行し、深い歯周ポケットが形成されて、歯槽骨が溶けている状態です。歯周病菌が作った膿が原因でにおいや変な味がしたり、歯茎から血や膿が出る、噛むと痛みがあるなどの自覚症状が出始めます。早急に治療を行わなければ、歯を失うことになります。
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重度歯周病
歯周病が進行し、歯の周りの骨が溶けて歯がぐらぐらした状態です。歯を支える骨がほとんどないため、歯は歯茎に刺さっているだけで、噛むたびに痛みがあります。骨を治すことができないため、抜歯が必要になります。
歯周病の治療方法
歯周病は非常に治りにくく、再発しやすい疾患です。症状や進行が進むにつれてより大がかりな処置が必要となるため、日頃から歯科医院に通い、早期発見、早期治療に努めることが重要です。
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ブラッシング指導
歯周病を発症するほとんどの方は、普段の歯磨きに問題があります。歯並びやお口の中の環境によっても必要なブラッシング法は異なるため、当院では、お一人お一人へブラッシング指導を行います。適切なブラッシング法を身につけることで、口腔内環境が改善されます。
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歯石取り
プラークは歯ブラシやフロスなどで除去することができますが、これにカルシウムが加わった歯石は自力で取ることができません。歯科医院では専用の器具を使い、歯石を除去していきます。セメント質に付着した歯石を取った後は、面をつるつるに仕上げることで歯周ポケットが改善しやすくなります。
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歯周ポケット掻把術
歯周病が進行すると、炎症によって歯茎の一部が壊死してしまいます。壊死した歯肉はもう治らないため、歯周ポケット掻把術で除去します。専用の器具を使い、歯周ポケットの中にたまった壊死した歯肉を、掻き出すように除去することで、治りが早くなります。
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フラップ手術
歯周ポケットが深く、歯石まで器具が届かない場合は、フラップ手術を行います。フラップ手術は、歯肉を一部歯根からはがし、歯石が見える状態で除去していく方法です。確実に原因を除去し、同時に骨を再生する治療を行う事も可能な、歯周病治療に非常に有効な治療法です。
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歯周再生治療
骨がなくなった部分をフラップ手術などできれいに清掃し、特殊な薬剤を注入して歯茎を閉じることで、骨を再生することが可能です。従来の方法では治らなかった歯周病も治療出来る可能性があるため、他の歯科医院で治らないと言われた方も、ぜひご相談ください。
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メンテナンス
歯周病は治療を行って治ったとしても再発を繰り返しやすい疾患です。そして、再発を繰り返す度に元の状態に治る可能性は低くなっていきます。歯周病が治った状態を維持して、再発を防ぐために、数か月に1度のメンテナンスが必要です。
歯周病の状態をわかりやすく
当院では患者様に歯周病の状態を分かりやすく知っていただくために、「お口の健康手帳(デンタルテン)」をお渡ししています。デンタルテンの資料はイラストと数値で、歯周ポケット深さや出血部位、磨き残しの場所などが一目でわかるため非常に分かりやすいと患者様からご好評いただいています。このデータに基づいた治療計画を立て、お口の状況をご説明いたします。継続的にデータを見ていただくことで、虫歯や歯周病予防にもつながり、改善されたかどうかも一目瞭然です。
歯周病治療の流れ FLOW
歯周病治療には決まった治療の手順があり、それに沿って治療を行うことでより良く、より早く歯周病を治すことができます。
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歯周基本検査
まず、歯周病の進行度、歯石の位置などを把握するために検査を行います。歯茎の検査の他に、口腔内写真やレントゲン写真を撮影します。検査結果に基づき、治療計画を立てていきます。
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診断結果説明
検査結果をお伝えし、検査の結果や状態、重症度や今後考えられる症状などについて詳しくお話いたします。必要な治療や予想される効果についてもお話しながら、治療の工程表をお渡しします。
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歯周基本治療
治療の工程表に沿って歯周病の治療を開始します。歯周病治療には患者様のご協力が不可欠です。ご自宅でのブラッシングを徹底していただくことで、治療を痛み少なく進めることができます。まずはブラッシング指導を行い、歯石を除去します。
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精密検査
歯周基本治療が完了したら、歯肉の精密検査を行います。歯茎の状態を丁寧に調べ、歯周病が残っている部位を洗い出し、症状などの治療に必要な情報を集めます。さらなる治療が必要なければ、メンテナンスへ移行します。
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歯周外科処置
歯茎の中に入りこんだ歯石を除去したり、壊死した歯肉を除去するためには歯周外科処置が必要です。症状に応じて治療法をご提案しますので、患者様とご相談しながら、より良い結果を求めて治療を行います。
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再検査
外科処置後は少し治るのに時間がかかります。頃合いを見計らって再度検査を行います。歯周病の症状がなければ、治療は完了です。歯周外科治療を行った方は、歯周病の再発リスクが高いと言われています。その後もメンテナンスが必要です。
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メンテナンス
歯周病の再発や虫歯を防ぐために、数か月に1回のメンテナンスにご来院いただきます。虫歯や粘膜などの異常がないか、歯周病の進行が見られないかなどのチェックを行い、歯石の除去などクリーニングを行います。